私は名寄で仕事をする前の3年間の間、鹿児島県奄美大島で仕事をさせていただいていたこともあり、今も奄美に行く機会がありますが、その際に三浦一広さんのことが書かれている本「結の島のフリムン」が発売されていることを教えてもらいました。奄美から戻った後購入し、読ませていただきました。
三浦一広さんは、奄美市市役所福祉政策課で青少年支援担当として勤務するかたわら、保護司としてNPO法人「ゆずり葉の郷」を通じ、青少年の更生に携わってこられた方です。30年間の間に三浦さんが携わった青少年の数は3万人に達するのことです。また、三浦さんは奄美合気拳法連盟の総師範代でもあり、私費を投じて道場兼住居「子どもの家」をつくり、行き場のない青少年を住まわせ立ち直りまでの支援も行っています。問題を抱える青少年とその家族のため、夜眠る間も携帯電話を離さず、必要とあれば夜中の何時でも現場に飛び出していました。私も、奄美大島では少年事件を扱うことがあり、その際には三浦さんには大変お世話になっておりました。奄美に限らず、地方では就業先など少年が立ち直りを する上で必要となってくる社会資源に乏しいことがありますが、その中でいかに少年が更生することができる道をつくっている大きな力となっているのは間違いありません。数字上も、三浦さんが「ゆずり葉の郷」をつくり活動をしていった後に奄美での少年犯罪件数は飛躍的に減少しています。
この本では、三浦さんのこれまでの実践について著者が取材され書かれていますが、三浦さんが少年一人一人に向き合い、ダメなところを非難するのではなく、良くなったところを見いだしていく暖かい対応をしてきたのがよく分かります。そして、三浦さんは青少年への支援活動をたった一人ではじめていますが、更生した青少年たちも後輩を助けていくなどその活動が広がりをみせ、名瀬警察署や市教育関係者だけではなく、地元の企業、児童相談所、医師会の支援をも得て支援活動がさらに発展していきました。その他、更生保護司の婦人団体の協力や、青年会議所、ライオンズクラブ、ロータリークラブからの寄付もうけるようになり、いわば島ぐるみで活動を支えるようになっています。裁判所も例外ではなく、本の中でも名瀬の地家裁支部長が三浦さんと一緒に居酒屋で青少年教育のあり方について語っているところが紹介されておりました。
奄美に三年間いて感じたことですが、奄美では昔から「絆」を意味する”結い”の心が重んじられており、困っている人を放っておくのではなく、皆で助けていこうという思いがあります。その思いは今も引き継がれていると思います。本で紹介されている三浦さんの献身的な活動は超人的でありますが、それを大きく支えたのは奄美の人が三浦さんの活動を理解し、三浦さんを支え共に活動をしていく”結い”の心を強く持っていたからだと思います。奄美では奄美以外の地域でも献身的な活動を続けている方は当然いらっしゃると思いますが、それを一人だけの活動や仕事に終わらせるのではなく、奄美の様に地域の中での連携までつなげるのは簡単なことではないだろうと思います。この本には学ぶべき点が多々あると思いますので、ぜひご一読いただきたいと思います。
追記(2012.8.15)
このエントリーを書いた後、三浦さんからお手紙をいただきました。お手紙とともに新聞記事等もいただき、相変わらず精力的な活動をしていることが伝わりました。記事の中で「子どもの心の動きをしっかりと見ること。瞬時に子どもたちの気持ちを読み取ること。三浦さんは世の大人や親たちにそれを強く望んでいる。親の身勝手な行動で犠牲になるのは常に子どもたちだ」と書かれていますが、本当にその通りだと思います。
私は名寄で仕事をする前の3年間の間、鹿児島県奄美大島で仕事をさせていただいていたこともあり、今も奄美に行く機会がありますが、その際に三浦一広さんのことが書かれている本「結の島のフリムン」が発売されていることを教えてもらいました。奄美から戻った後購入し、読ませていただきました。
三浦一広さんは、奄美市市役所福祉政策課で青少年支援担当として勤務するかたわら、保護司としてNPO法人「ゆずり葉の郷」を通じ、青少年の更生に携わってこられた方です。30年間の間に三浦さんが携わった青少年の数は3万人に達するのことです。また、三浦さんは奄美合気拳法連盟の総師範代でもあり、私費を投じて道場兼住居「子どもの家」をつくり、行き場のない青少年を住まわせ立ち直りまでの支援も行っています。問題を抱える青少年とその家族のため、夜眠る間も携帯電話を離さず、必要とあれば夜中の何時でも現場に飛び出していました。私も、奄美大島では少年事件を扱うことがあり、その際には三浦さんには大変お世話になっておりました。奄美に限らず、地方では就業先など少年が立ち直りを する上で必要となってくる社会資源に乏しいことがありますが、その中でいかに少年が更生することができる道をつくっている大きな力となっているのは間違いありません。数字上も、三浦さんが「ゆずり葉の郷」をつくり活動をしていった後に奄美での少年犯罪件数は飛躍的に減少しています。
この本では、三浦さんのこれまでの実践について著者が取材され書かれていますが、三浦さんが少年一人一人に向き合い、ダメなところを非難するのではなく、良くなったところを見いだしていく暖かい対応をしてきたのがよく分かります。そして、三浦さんは青少年への支援活動をたった一人ではじめていますが、更生した青少年たちも後輩を助けていくなどその活動が広がりをみせ、名瀬警察署や市教育関係者だけではなく、地元の企業、児童相談所、医師会の支援をも得て支援活動がさらに発展していきました。その他、更生保護司の婦人団体の協力や、青年会議所、ライオンズクラブ、ロータリークラブからの寄付もうけるようになり、いわば島ぐるみで活動を支えるようになっています。裁判所も例外ではなく、本の中でも名瀬の地家裁支部長が三浦さんと一緒に居酒屋で青少年教育のあり方について語っているところが紹介されておりました。
奄美に三年間いて感じたことですが、奄美では昔から「絆」を意味する”結い”の心が重んじられており、困っている人を放っておくのではなく、皆で助けていこうという思いがあります。その思いは今も引き継がれていると思います。本で紹介されている三浦さんの献身的な活動は超人的でありますが、それを大きく支えたのは奄美の人が三浦さんの活動を理解し、三浦さんを支え共に活動をしていく”結い”の心を強く持っていたからだと思います。奄美では奄美以外の地域でも献身的な活動を続けている方は当然いらっしゃると思いますが、それを一人だけの活動や仕事に終わらせるのではなく、奄美の様に地域の中での連携までつなげるのは簡単なことではないだろうと思います。この本には学ぶべき点が多々あると思いますので、ぜひご一読いただきたいと思います。
追記(2012.8.15)
このエントリーを書いた後、三浦さんからお手紙をいただきました。お手紙とともに新聞記事等もいただき、相変わらず精力的な活動をしていることが伝わりました。記事の中で「子どもの心の動きをしっかりと見ること。瞬時に子どもたちの気持ちを読み取ること。三浦さんは世の大人や親たちにそれを強く望んでいる。親の身勝手な行動で犠牲になるのは常に子どもたちだ」と書かれていますが、本当にその通りだと思います。